こんにちは、新川駅前歯科クリニックの小笠原です。
小学校の理科で「ヨードでんぷん反応」の実験をしたことがありますか?
茶色のヨードチンキを白いご飯にかけると、でんぷん質に反応して鮮やかな青紫色に発色する実験です。
ご飯をよく噛んで唾液と混ぜ合わせた場合はあまり発色が起きないのですが、
それは、唾液に含まれる「アミラーゼ」という酵素に、でんぷん質を消化する働きがあるからだそうです。
唾液アミラーゼは、私たちにとって非常に大切な酵素のひとつで、唾液腺と膵臓から分泌されます。
唾液腺からアミラーゼをたくさん出すには、よく噛むことが大切ですが
ご飯やパン、麺類などのでんぷん質は唾液アミラーゼだけでは消化しきれません。
でんぷん質の9割以上が胃を通過したあとに分泌される膵液アミラーゼにより消化されていると考えられています。
実は、唾液アミラーゼには、その消化作用を利用した別の働きがあるのです。
1つは、でんぷん質の消化により糖が生成されますが、その甘みにより
食べる喜びを感じさせるという味覚上の役割です。
もう1つは、歯に付着したでんぷん質の残りかすを化学的に分解し
口の中をきれいに洗浄する口腔衛生上の役割です。
唾液には、口の中に残った食べかすをそのまま洗い流す働きとアミラーゼによって分解してから
きれいにする働きもあるのです。
近年の研究で、唾液アミラーゼを調べることで個人のストレス状態も評価できることがわかってきました。
唾液アミラーゼにはいろいろな活躍の場が用意されているようです。すごいですね!