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コラム

始まりは紀元前!?インプラントの歴史

2024/2/9

始まりは紀元前!?インプラントの歴史

インプラントは、歯を失ってしまった方にとって画期的な治療法です。ブリッジや入れ歯などの治療法と比べ、多くの優れた特徴を持つインプラント治療は、最先端の歯科治療の一つとして知られています。

そんなインプラント治療は、一体いつから行われていたのでしょう?

実は太古の昔、紀元前からインプラント治療が行われていたと聞いたらと驚きませんか。今回は、そんなインプラント治療の歴史についてご紹介します。

太古のインプラント

実は2000年以上も前に、インプラント治療は行われていました。

インカ帝国のインプラント


インカ帝国のインプラント

紀元前の南米の帝国、インカ帝国の遺跡から、エメラルドやアメジストなどの宝石を使ったインプラントが埋め込まれた人骨が発見されています。

古代トルコのインプラント


古代トルコのインプラント

紀元前500~600年頃の古代トルコの遺跡から、石で作られたインプラントが見つかりました。

ただ、このインプラントは故人に対して、死後の世界で不自由しないようにとの願いで入れられたと考えられており、生きている間に使われたものではないようです。

古代ローマのインプラント


古代ローマのインプラント

西暦200~300年頃の古代ローマの遺跡から、ローマ人のインプラントが発見されています。

この頃は鉄を使ってインプラント治療が行われていたようで、顎の骨に鉄製のインプラントが入っているのが見つかっています。

古代マヤのインプラント


古代マヤのインプラント

南アメリカのマヤ遺跡から、西暦700年頃のマヤ族の下顎前歯のインプラントが発見されました。このインプラントは真珠の貝殻で作られています。

インプラントに歯石がついていたこと、インプラント周囲の骨の状態が良かったことなどから、生前に埋め込まれ、しっかりと機能していたと考えられています。機能していたことが確認されるインプラントとしては、世界最古のものと言われます。

少し前の日本では…

現在のインプラント治療が普及する前、我が国では人工サファイアを使ってインプラント治療が行われていました。

現在のインプラントと異なり、治療成績は良くなかったようで、折れたり外れたりすることが多く、これが当時のインプラントのイメージを悪くしてしまったようです。

現在のインプラント

きっかけはウサギの研究?



現在のインプラント治療では、チタンと骨の結合現象を利用しています。チタニウムと骨が結合することが知られるようになったのは、実は偶然の賜物でした。

1952年、スウェーデンのルンド大学でペル・インクヴァール・ブローネマルク博士が、ウサギを使って、骨の研究をしていました。博士はウサギの骨がどのように治るのか、そして骨髄がどのような役割を果たしているのかを知るために、チタン製の観察器具をウサギのすねの骨に取り付けて、観察していたのです。

観察が一段落し、すねにつけた器具を外そうとしたところ、骨にくっついて取り外せなくなっていました。これがチタンと骨が結合することに気づいたきっかけです。

オッセオインテグレーション(Osseointegration)


オッセオインテグレーション(Osseointegration)

さらに博士は、チタン以外の様々な金属を使って、骨と結合するのかを検証しましたが、チタン以外の金属では、骨と結合することはありませんでした。

チタンだけが骨と結合することを発見し、これをオッセオインテグレーション(骨結合:Osseointegration)と名づけ、この現象をインプラント治療に応用することを考えたのです。オッセオインテグレーションとは、Osseous(骨性)とIntegration(結合)を掛け合わせた言葉です。

このオッセオインテグレーションを応用して、現在につながるインプラントが発明されることになります。

チタン製インプラントによる初めての治療

初めてチタンで作られたインプラントによる治療を受けたのは、30代のヨスタ・ラーソンという方で、1965年の話です。この方は、ブローネマルク博士の友人でした。

ラーソン氏がインプラント治療を受けた時は、数本の歯を残すだけの状態でした。残念ながら、2006年にお亡くなりになったそうですが、亡くなるまでそのインプラントで噛めたということです。

その後、オッセオインテグレーションはインプラント治療にとってのエポックメーキングとなり、世界中のインプラントにチタンが使われるようになります。

ブローネマルク式のインプラントが日本に入ってきた時期



日本に、このブローネマルク式のインプラントが入ってきたのは1980年代初頭です。当時、ヨーロッパに留学していた東京歯科大学の小宮山彌太郎先生が、優れたインプラント法があるということで、その理論や技術を日本に持ち帰ったのが発端のようです。

ブローネマルク博士が初めてインプラント治療をしてから、およそ20年ほど経った後ということですね。

そして、日本国内でもオッセオインテグレーションの優れた特長が知られるようになり、人工サファイアに代わるインプラント治療法として広く普及し、現在に至ります。

長い歴史のあるインプラント


インプラントオフィス大通は、最新の設備を備え、インプラントの埋入やメンテナンスに至るまで、一貫して患者さんをサポートいたします

今回は、インプラント治療の歴史についてお話ししました。随分と長い歴史があると驚かれた方も多いのではないでしょうか。

失った歯をどうやって治すのかは、人類にとって共通の悩みだったのです。

現在のインプラントは、先ほどもお話しした、オッセオインテグレーションを元にしたチタニウムを使う方式が主流です。チタニウムのインプラントは骨と結合するのでグラグラせず、しっかり噛めますし、チタニウムは丈夫な金属なので破損の可能性もほとんどありません。

インプラントオフィス大通は、最新の設備を備え、インプラントの埋入やメンテナンスに至るまで、一貫して患者さんをサポートいたします。また、インプラントについてご質問や詳しく知りたいという方には、インプラント無料相談も随時実施しておりますので、札幌でインプラントをお考えの方は、ぜひインプラントオフィス大通にご連絡ください。