インプラントはブリッジや入れ歯とどう違う?
2024/3/6
失った歯の代わりとなるインプラントは、第二の永久歯などとも呼ばれますが、同様に歯を失った場合の選択肢としては、ブリッジや入れ歯なども候補に挙がります。
患者さんからすると、これらとインプラントにはどのような違いがあるのか、気になるところではないでしょうか?
そこで今回は、インプラントとブリッジや入れ歯がどのように異なるのか、各々の特徴を踏まえつつ、解説したいと思います。
それぞれの特徴は?
まずはインプラント、ブリッジ、入れ歯各々の構造についてお話ししましょう。
インプラント
インプラントは、骨に埋め込むインプラント、歯冠部分である上部構造、インプラントと上部構造をつなげるアバットメントを基本構造としています。
インプラント部分はチタンで作られており、前回のコラムでもお伝えしたオッセオインテグレーションというチタンと骨の結合現象を利用して、安定を図る仕組みになっています。
ブリッジ
ブリッジは、なくなった歯の両側の歯につけた被せ物と、なくなった歯の代わりになる人工の歯(ポンティック)をつなげて一体化した大きめの被せ物です。ブリッジは歯に接着するので外れません。
入れ歯
入れ歯は、人工の歯と土台となる床(しょう)という部分を基本構造としたもので、歯が全くなくなった方に用いる総入れ歯と、歯が残っている方に用いる部分入れ歯に分けられます。
部分入れ歯には歯に引っかけて安定を図るクラスプという金具がついています。入れ歯は、吸着力やクラスプの引っかかりを利用しているので、取り外しができるように作られています。
入れ歯については、同じく医療法人社団 千仁会のポラリス歯科・矯正歯科のコラムでも詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
インプラントのメリット
では各々の特徴を説明したうえで、インプラントならではのメリットをお話しします。
しっかり噛める
インプラントは、オッセオインテグレーションにより、骨と結合するように作られているので、いったん埋め込まれたインプラントはグラグラせず、とても安定しています。そのため、普通の歯と同じように、食べ物をしっかりと噛むことができます。
例えば、入れ歯は取り外しができるように作られているので、ある程度の「あそび」が存在し、あまりしっかりとは噛めません。
自然で美しい見た目を手に入れられる
インプラントの歯冠部分の材料はいくつか選択肢がありますが、セラミックを使った場合、その見栄えは本物の歯と同じくらい美しく、自然になります。パッと見ただけでは、人工の歯とはわからないほどです。
一方で、ブリッジは金属部分がありますし、入れ歯にはクラスプがあるので、残念ながら自然な仕上がりにはなりません。美しく違和感のない見栄えを求めたい方にとっては、インプラントは有力な選択肢になります。
他の歯を削らない
例えばブリッジを作るためには、先ほどもお伝えしたように、なくなった歯の両側の歯を削らなくてはなりません。
一度削った歯は元に戻ることはありませんし、削った箇所から歯が痛くなったり、虫歯になったりする可能性があります。
一方インプラントなら、残っている歯を削る必要がありません。本来の歯を削らないというのは、インプラントならではの大きなメリットです。
他の歯に負担がかからない
ブリッジは、なくなった歯の両側の歯を支えにしていますので、噛み合わせの力が支えの歯に加わります。
噛み合わせの力に耐えられなくなると、歯根(歯の根っこ)が割れたり、歯の周りの骨が吸収されて減ってきたりすることもあります。
入れ歯は、つけたり外したりするたびに、クラスプという金具がかかっている歯に負担がかかり、長期的には歯がグラグラと動き始めることが多くなります。
その点、インプラントは、インプラント自身の歯根部分で支えているので、他の歯に余計な負担をかけることがありません。
普通の歯のようにお手入れできる
入れ歯は食べ物が裏側に入り込むので、毎食後外して洗わなければなりません。ブリッジは、人工歯部分に食べ物が中に入り込みやすいのですが、ここのお手入れは難しく、普通の歯と同じように磨いただけでは不十分です。
インプラントならば、本物の歯のような形に整えられているので、普通の歯と同様にお手入れすることができます。
違和感が少ない
入れ歯は、本来の歯とは異なる脱着する構造であり、食事のたびに食べ物が中に入り込みます。
ブリッジは人工歯の部分に食べ物が詰まりやすく、どちらも使用中に違和感が生じます。
インプラントは本物の歯のように仕上がりますので、違和感が出にくく、治療が終われば、早い段階から普通に食べたり話したりしていただけます。
インプラントのデメリット
このように多くのメリットがあるインプラントですが、もちろんデメリットがないわけではありません。
外科手術が必要
インプラント治療では、まず顎の骨にフィクスチャーやアパットメントを埋め込まなければなりません。埋め込むには、歯肉を切開したり、骨に穴を開けたりといった外科手術が必要になります。
一方、ブリッジや入れ歯を使用するのに外科手術は必要ありません。また、全身的な病気の状態などによっては、インプラントの外科手術を受けられない可能性もあります。
治療期間が長い
お伝えしてきたとおり、インプラントはチタンと骨が結合するオッセオインテグレーションを利用しています。チタンと骨が結合するには、早くても2ヶ月弱かかるため、その間は治療が進むことはなく、時間を経た後に上部構造の作成に進みます。
ブリッジや入れ歯には、このような養生の期間がなく、治療期間はさほど長くなりません。他の治療に比べると、治療に必要な期間が長いのは、インプラントのデメリットと言えるでしょう。
自費診療
インプラント治療は、原則的に保険診療の適用を受けていません。厳密には、保険診療で受けられる場合もあるのですが、条件が大変厳しく、当てはまる人は非常に稀なのが実情です。
このため、保険診療で受けられるブリッジや入れ歯と違い、どうしても治療費は高額になります。
インプラントの特徴を理解して最適な治療を
今回はインプラントの特徴について、同じく失った歯を補うためのブリッジや入れ歯などと比較しつつお伝えしました。インプラントならではの優れた点について、ご理解いただけたかと思います。
お伝えしたように、手術や費用の面などのハードルはありますが、やはり自然な歯と同様の仕上がりや、日常生活での快適さを求める方にとって、インプラントのメリットは大きいと言えるでしょう。
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