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コラム

インプラント治療の縁の下の力持ち!アバットメントの重要性とは

2024/7/2


インプラントの基本構造は、下図のようにフィクスチャーという歯根部分、上部構造という歯冠部分、そしてそれらをつなげるアバットメントの3つで成り立っています。

インプラントというと、顎の骨に埋め込むフィクスチャーや、目に見える人工歯である上部構造に目が向かいがちですので、アバットメントは少し地味なパーツに思われるかもしれません。



しかし、インプラントにとってアバットメントは「縁の下の力持ち」とも言えるとても大切な役割を担っているパーツなのです。今回は、そんなアバットメントの重要性について、詳しく解説します。

アバットメントの大切な役割

フィクスチャーと上部構造の接続



冒頭の図のように、アバットメントの最も基本的な役割は、フィクスチャーと上部構造をしっかりと接続することです。アバットメントを介して上部構造をフィクスチャーにつける構造にしておけば、上部構造に何かあった時、上部構造だけを外して、修理することが可能になります。

後述する、フィクスチャーに直接上部構造を着けるタイプのインプラントもあるのですが、このタイプは上部構造が破損すると、その衝撃がフィクスチャーに伝わり、インプラントごと壊れてしまうことがあります。

アバットメントを介する形状であれば、上部構造に何かあった際の影響を少なくすることができるというメリットもあるのです。

審美性の保持


インプラントはチタンで作られているので、その色は艶消しの銀色、もしくは明るい灰色などが多くなります。

そのため、長年使っているうちに歯肉が下がってしまい、インプラント体が露出すると、どうしても見た目は不自然になってしまいます。このような時、歯の色に合わせて作られたアバットメントを選んでいれば、歯肉が下がっても目立ちにくいので、審美性を保つことに役立ちます。

上部構造の向きの補正



インプラントを埋入する時は、他の歯の向きを考慮してインプラントを埋める角度を決めるのですが、上顎のインプラントが難しい理由インプラント治療における骨造成(骨増生)とはのコラムでお伝えしたように、患者さんの骨の状態が関与するため、必ずしも想定どおりの角度で埋入できるとは限りません。

アバットメントがあれば、たとえ少し斜めにインプラントが入った場合でも、アバットメント側で角度を補正できるので、他の歯に合わせて違和感のない上部構造にすることが可能になります。

咬合力(こうごうりょく)の補正

アバットメントは、アバットメントスクリューと呼ばれる専用のネジでインプラントに接続します。このネジは、回転具合に応じて微妙な高さの調整ができるように作られています。



注意して!インプラント治療後は放置すると様々なトラブルが…のコラムで解説したとおり、自然の歯には、歯根膜という薄い靱帯のような組織があり、噛み合わせの力を受け止められる構造をしていますが、インプラントには歯根膜がないので、咬合力(こうごうりょく:噛み合わせの力)がインプラント体にダイレクトに加わります。

そのため、噛み合わせの力が強く掛かり過ぎれば、インプラントがダメージを受けてしまいます。これを回避するために、最適な噛み合わせになるよう、インプラントの高さを調整する必要がありますが、アバットメントはこの微妙な高さの調整ができるので、インプラントに過剰な咬合力が加わるのを防いでくれるのです。

セラミッククラウンを守る


これまで述べてきたアバットメントの役割は、上部構造によく使われるセラミッククラウンを守ることにも役立ちます。

上部構造の材質は様々なものから選べますが、審美性を重視する方はセラミッククラウンがおすすめです。セラミックは本物の歯と同じような色合いに加え、光沢感があり、とても自然な仕上がりが得られます。さらにプラーク(歯垢)も付着しにくく、衛生面でも優れています。

ただ、多くのメリットがあるセラミッククラウンにも弱点があります。それは、噛み合わせの力が集中すると割れてしまう可能性があるということです。

上述のとおり、アバットメントがあれば、咬合力を歯並び全体に分散するように調整できるので、セラミッククラウンが割れてしまうことを防ぐことにつながりますし、もちろん角度の調整も可能です。

アバットメントのない1ピース型インプラント



これまでお話ししてきたように、重要な役割を持つアバットメントですが、このアバットメントがないインプラントもあります。それが1ピース型インプラントです。1ピース型インプラントは、アバットメントが最初からインプラントに組み込まれています。

アバットメントがインプラントと一体化しているので、改めてアバットメントを取り付ける必要がありませんし、アバットメントが緩むこともありません。ただし、これまでお話ししてきたアバットメントならではの役割を担えないことに加え、何らかのトラブルが生じた際には、インプラントごと取り除かなくてはいけない可能性もあります。

基本は2ピース型インプラント



上で述べた1ピース型インプラントとは異なり、2ピース型インプラントは、フィクスチャーとアバットメントが分かれていて、後日アバットメントを接続するタイプであり、こちらが基本型ともいえるインプラントです。

アバットメントの役割を十分活用できるうえ、上部構造の選択肢も多く、適応症例も豊富なのがメリットです。デメリットを挙げるなら、1ピース型インプラントとは異なり、アバットメントを取り付ける必要があること、アバットメントが緩む可能性があるということになります。

インプラント治療すべてに責任を持った対応をお約束します



今回はインプラントを構成するアバットメントにフォーカスして解説してきました。アバットメントは、上部構造を接続するだけでなく、審美性や噛み合わせにも影響する、インプラントにとって大切な構成要素であることをご理解いただけたかと思います。

もちろんインプラント治療では、アバットメントに加え、フィクスチャー、上部構造についても、一人一人に最適なものが必要です。これらが患者さんに合った正しいバランスで調整されることにより、インプラントは失った歯の代わりとして機能してくれるようになります。

当院では、患者さんの状態をしっかりと見極め、使用する各材料、治療計画から治療後の結果に至るまで、責任を持って対応することをお約束いたしますので、札幌でインプラントをお考えの際は、インプラントオフィス大通にお問い合わせください。