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コラム

インプラント治療での痛みや腫れの対処法

2024/9/18


失った歯を補うインプラントは、審美性や機能性に大変優れた治療法です。しかし、虫歯や歯周病の治療などとは異なり、歯茎を切開して顎の骨に人工歯根(インプラント体)を埋め込むため、どうしても術後の痛みや腫れが出やすいのも事実です。こういった点でインプラント治療に抵抗感を覚える方もいらっしゃるでしょう。

ただ、ポイントを押さえ、適切に対処することで、インプラント治療に伴う痛みや腫れは軽減できます。

そこで今回は、インプラント治療で想定される痛みや腫れの原因や、その対処方法についてお話します。インプラント治療に対する不安な気持ちを少しでも軽減できるよう、ぜひ参考にしてください。

インプラント治療後に痛みや腫れが出るのはなぜ?



まず、なぜインプラント治療後に痛みや腫れが出るのか、その理由について解説しましょう。

冒頭でも触れましたが、インプラント治療は、顎の骨にインプラント体(人工歯根)を埋め込むため、歯茎を切開したり、骨に穴を開けたりする必要があります。その過程で歯茎や骨が傷ついてしまうのはどうしても避けられません。

これらの傷が治る過程で炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こしてしまうことがあります。これは、手術による傷が治っていく過程で自然に起こる反応です。

体は傷を治すために血管を広げ、白血球などの免疫細胞を傷口に集めて、細菌や異物を排除しようと働きます。この時に炎症を引き起こす物質が放出されるため、痛みや腫れを感じてしまうのです。

時間の経過とともに、手術後の痛みは落ち着いてきます

特に手術直後は、歯茎や骨の神経が刺激されて痛みを感じやすい状態です。それに加えて術後の3日〜1週間程度は、傷口が治っていく過程で炎症物質がより多く放出されるため、痛みや腫れが強くなる傾向があります。

しかし、時間の経過とともに、これらの症状は少しずつ落ち着いていきますので、過度に心配する必要はありません。

インプラント治療後の痛みや腫れの程度

では、インプラント治療後の痛みや腫れはどの程度のものなのでしょうか?これはもちろん個人差があるのですが、主に以下の3つの要因によって左右されます。

埋入するインプラントの本数



インプラントを埋入する本数が多いほど、手術の規模が大きくなり、傷口の面積が広くなります。そのため、体は傷を治そうと多くの血液を送り込むため、痛みや腫れも強くなる傾向があります。

たとえば、1本のインプラントを埋入した場合、傷口の面積は約1cm平方です。しかし、4本のインプラントを埋入した場合、傷口の面積は約4cm平方になるため、そのぶん痛みや腫れも大きくなります。

骨造成などの追加手術の有無



インプラントを埋入するためには、十分な骨の厚みや高さが必要です。その骨量が不足している場合には、骨造成(こつぞうせい)と呼ばれる処置が行われます。詳しくは、インプラント治療における骨造成(骨増生)とはのコラムで解説していますので、併せてご参照ください。

この骨造成を行うと、骨に傷がつき、炎症が起こることがあります。そのため、骨造成などの追加手術を受けた場合は、通常のインプラント治療よりも術後の痛みや腫れが長引く可能性があります。

患者さんの体質



インプラント治療後の痛みや腫れの感じ方には個人差があります。これには、もともとの体質が関係している場合があります。

たとえば、糖尿病や高血圧などの基礎疾患がある場合、炎症が起こりやすい傾向にあります。そのため、インプラント治療後も痛みや腫れが強く出たり、長引いたりすることがあります。

インプラント治療後の痛みや腫れへの対処方法

ではここからは、インプラント治療後に痛みや腫れがある場合の対処についてお伝えしていきます。ただし、痛みや腫れがひどい場合は、必ず歯科医院を受診してください。

適量の痛み止めをきちんと服用する



インプラント治療後の痛みには、非ステロイド系抗炎症薬がよく用いられます。非ステロイド系抗炎症薬は、炎症を抑える作用がある薬で、イブプロフェンロキソプロフェンなどがよく用いられます。

痛み止めは、歯科医師の指示に従って適切な量を服用してください。自己判断で量を増やしたり、服用間隔を短くしたりするのは危険です。

他の薬を服用している場合は、飲み合わせによって効果が弱まったり、副作用が出やすくなったりすることがあるため、必ず歯科医師に伝えましょう。

患部を冷却する



幹部を冷却することで腫れを抑えられます。術後1〜2時間は、氷嚢(ひょうのう)や保冷剤を患部に当てて冷やしましょう。

ただし、直接氷や保冷剤を当てると、凍傷を起こす可能性があるため、タオルなどで包んでから患部に当ててください。また、長時間冷やし続けると血流が悪くなり、かえって治りが遅くなる可能性があります。15〜20分冷やしたら、一度休憩を入れるようにしましょう。

安静に過ごす



インプラント手術後は、身体を休ませることが大切です。手術によって傷ついた組織を修復するために、体は多くのエネルギーを必要とします。

無理に体を動かすと、血流が促進され、腫れや痛みが悪化してしまう可能性があります。術後は激しい運動や重労働を避け、できるだけ安静に過ごしましょう。

タバコを控える



タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があります。ニコチンの作用によって、血管が収縮すると血流が悪くなり、傷口の治りが遅くなってしまいます。

さらにタバコは、インプラント周囲の骨へも悪影響を及ぼすため、インプラントの寿命を短くする可能性があります。

インプラント治療に際し、押さえておくべきポイント

お伝えしてきたように、インプラント手術後の痛みや腫れを完全になくすのは難しいものです。ただ、以下のようなポイントを押さえておくと、インプラント治療をお考えの際には有用ですので、挙げていきましょう。

腫れや痛みに配慮した処置を行ってもらう



まずは痛みや腫れが心配であることを歯科医師に相談しましょう。インプラント手術時における歯茎の切開や、インプラント埋入の際は、痛みや腫れに配慮した処置が可能です。

例えば、麻酔の注射は、薬液をゆっくり注入することで痛みを少なくできます。また、歯茎の切開も必要最小限にとどめたり、インプラントを埋め込む際も、細心の注意を払って埋入箇所への刺激を抑えることで、術後の痛みや腫れを少なくできるようになります。

歯科医院からの指示はきちんと守るようにする



術後は、以下のように処方薬の飲み方や、避けるべき行為が案内されるはずです。


  • 処方された薬を忘れずに服用すること

  • 激しい運動や飲酒、喫煙を控えること

  • 口腔内を清潔に保つこと


順調に回復するためにも、歯科医院からの指示をしっかりと守りましょう。また、気になることがあれば、遠慮なく歯科医師に相談してください。

痛みや腫れが出ることについて理解しておく



「痛みはどのくらい続くのか?」「痛みがひどい場合はどうしたらいいのか?」など、不安な気持ちを抱えながらインプラント治療を受けるものは辛いものです。

そのような不安を少しでもやわらげるために、まずは今回お伝えしたように、術後の痛みや腫れについて理解を深めておきましょう。

先述のとおり、痛みや腫れは、一般的に手術後2~3日程度でピークを迎え、その後は少しずつ落ち着いていきます。ただし、個人差があるため、中には腫れや痛みが長引く方もいます。

もし、我慢できないほどの痛みや腫れ、発熱、出血などの症状が現れた場合は、我慢せずに歯科医院に連絡してください。

信頼できる歯科医院で治療を受ける



インプラント治療における痛みや腫れについて解説してきましたが、何よりも大事なことは、数多くのインプラント治療を手掛けてきた実績がある歯科医院を選ぶことです。

インプラント治療自体は、歯科医師の免許があれば誰でも行える治療です。しかし、インプラント治療は専門性の高い治療方法であるため、歯科医師の技術と知識が求められます。

歯科医院を選ぶ際は、インプラント治療の実績を把握するようにしましょう。そしてカウンセリングの際に、インプラント治療に関する設備や機器がきちんと整っているかを確認し、信頼できる歯科医院を選んでください。

札幌で痛みや腫れの少ないインプラント治療を希望するならインプラントオフィス大通へ



インプラント治療に伴う痛みや腫れが心配な方もいるかもしれません。しかし、信頼できる歯科医院を選び、ご自身の状態に合わせた治療計画を立ててもらうことで、手術に伴う負担を少なくできます。そしてインプラント治療に伴う注意点についてもしっかりと理解しておけば、安心して治療に臨めるでしょう。

トップページでもお伝えしているように、インプラントオフィス大通は、インプラント治療に特化した専門医院として、これまで数多くのインプラント治療を行ってきました。2021年から2024年5月末までのインプラント5年生存率は99.75%と高成績を達成しています。

当院には医療法人社団 千仁会の専門医が在籍し、痛みに配慮したインプラント治療はもちろん、治療前には丁寧なカウンセリング(インフォームドコンセント)を行い、インプラント治療に関する注意点もわかりやすくご説明いたします。

充実した医療設備によって手術中の安全を確保し、クリーンで衛生的な院内環境でインプラント治療を受けていただけますので、札幌でインプラントを検討している方は、ぜひインプラントオフィス大通にご相談ください。