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コラム

インプラントはどれくらいもつの?

2024/10/8


インプラント治療は、大変優れた治療法なのですが、前回、インプラントの治療費が高い理由でご紹介した通り、治療費が1本あたり30万円以上と、どうしても高額になります。

そのため多くの方は、インプラントは一体どれくらいもつのかが気になるのではないでしょうか。そこで今回は、「インプラント治療を受けた後、どれくらいの期間にわたって使い続けられるのか」という点について解説します。インプラントを長持ちさせるためのポイントもご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

インプラントは、どれくらいの期間にわたって使い続けられる?

まず、インプラントはどれくらいもつのか、その残存率(生存率)についてお話しします。

インプラントの10年後の残存率



文献によって差がありますが、インプラント治療を終えてから10年後の生存率は、約90〜95%と高い数値が報告されています。

また、平成26年の厚生労働省の歯科保健医療情報収集等事業 『歯科インプラント治療のためのQ&A』によれば、上顎で90%、下顎で94%と、下顎のインプラントの方がやや長持ちする傾向があるようです。

いずれにしても、10年後も9割を超えるインプラントがしっかりと機能しているとお分かりいただけると思います。

インプラントを使用し続けた最長記録は40年強



インプラントを使用し続けた世界最長記録は、実に40年強です。これは、インプラントの歴史のコラムで解説したとおり、現在のインプラント治療を確立したスウェーデンのブローネマルク博士が、1965年に友人のヨスタ・ラーソン氏に行った、世界で初めてのインプラント治療によるものです。

コラムでもお伝えしたとおり、この記録は、インプラント治療から40年でインプラントが抜けてしまったという意味ではありません。インプラント治療を受けた方が、お亡くなりになったのでここで記録がストップしたということです。もし、この方がまだご存命なら、さらに長くなっていたでしょう。

インプラント以外の治療法はどれくらいもつ?

インプラント治療が長持ちすることがお分かりいただけたと思いますが、他の治療法と比べてどれくらい違うのでしょうか?

インプラントはブリッジや入れ歯とどう違う?のコラムでも特徴の比較をしましたが、ブリッジと入れ歯の残存率について、インプラントと比べてみましょう。

ブリッジの残存期間



ブリッジは、失った歯の両隣の歯を土台にして、橋のように人工歯(ポンティック)をつなぐ治療法です。保険診療に取り入れられていることもあり、失われた歯の本数が1~2本くらいの場合によく使われています。

ブリッジの10年後残存率は約70%と言われています。ブリッジそのものが壊れるのではなく、支えとなる歯が虫歯や歯周病になることで、支えきれなくなって使えなくなる場合がほとんどです。

入れ歯の残存期間



入れ歯は、失われた歯の本数が比較的多い場合に用いられる治療法です。入れ歯は、残された歯にクラスプという金具を歯に引っかけて使用します。

入れ歯の寿命は素材によって大きく変わります。 保険適用のプラスチック製の入れ歯(レジン床義歯)は、一般的に5年ほどで作り替えが必要です。 一方、自費診療の金属製の入れ歯(金属床義歯など)は、より丈夫で長持ちし、8年ほど使用できます。

入れ歯については、提携医院であるポラリス歯科・矯正歯科のコラムで詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。

インプラント治療を長持ちさせるポイント

せっかく費用と時間をかけて入れたインプラントですから、できるだけ長く使いたいものですよね。そこで、以降では、インプラント治療を長持ちさせるポイントについてお話しします。

禁煙



喫煙は歯周病のリスクを高めることはよく知られていますが、インプラントにも悪影響があることをご存知でしょうか。せっかく成功したインプラント治療も、喫煙によって台無しになってしまうことがあります。

その原因となるのが、コラムでも解説したインプラント周囲炎です。これは、インプラントの周りの組織に炎症が起こる病気で、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。この厄介なインプラント周囲炎を引き起こす要因の一つが喫煙なのです。

インプラントを長持ちさせ、お口の健康を保つためにも、禁煙をおすすめします。また、ご自身での禁煙がなかなか難しい場合は、医療機関の禁煙外来の受診も検討してみましょう。

プラークコントロール



インプラントの敵はタバコだけではありません。毎日の歯磨きで落としきれないプラーク(歯垢)もインプラント周囲炎を引き起こす大きな原因の一つです。

このプラークの正体は細菌の塊です。虫歯や歯周病の原因菌も含まれていますが、インプラント周囲炎を引き起こす菌もこの中に潜んでいます。

そのため、プラークを取り除くプラークコントロールが非常に大切です。基本は毎食後の歯磨きですが、インプラントの周りもしっかりブラッシングすることを心掛けてください。歯ブラシだけでは届きにくい場所は、デンタルフロスや歯間ブラシを上手く使いましょう。

インプラントのブラッシングについては、インプラントの歯磨き方法と注意点のコラムをご参照ください。

正しい噛み合わせ



歯ぎしりや食いしばりなどの癖があると、インプラントに過剰な力が加わります。強い力がインプラントに加わり続けると、周囲の骨にダメージを与え、最悪の場合、インプラントが抜け落ちてしまうこともあります。

インプラントではなく普通の歯であっても、噛み合わせに異常があると、ぐらつき始めたり、割れたりして抜けてしまうことがあります。

インプラントは普通の歯よりも噛み合わせの癖によって生じる圧力に弱いので、歯ぎしりや食いしばりがある方は、適切な治療を早めに受けるようにしましょう。

また、歯並びが悪く、矯正治療が必要な場合は、インプラントと矯正治療、どちらを先に行うのが良い?のコラムでお伝えしたとおり、インプラントがすでに入っている場合を除き、矯正治療を先に行うのが一般的です。

もちろんインプラントオフィス大通では、矯正治療も行っておりますので、気になる方は併せてご相談ください。

歯科医院での定期検診



インプラントを長持ちさせるためにも、歯科医院で定期検診を受けるようにしましょう。
メンテナンスでは、以下の項目を確認します。


  • プラークコントロールの状態

  • 歯肉の状態

  • インプラントの安定性

  • インプラント周囲の歯肉の状態


そして、歯石の除去や歯の表面をツルツルに磨き上げるクリーニング、噛み合わせの調整などを行います。インプラントのメンテナンスの内容は、通常の歯に対して行う歯周病のメンテナンスとほとんど同じです。

インプラント周囲炎などのトラブルを早期発見・早期治療できるだけでなく、お口全体の健康にもつながることですから、ぜひ歯科医院で検診を受けましょう。

インプラントを長持ちさせるためにはメンテナンスが大切



お伝えしてきたように、インプラントは、ブリッジや入れ歯と比べて、10年残存率が90%以上と長持ちする治療法です。

しかし、インプラントを入れて何もしなければ、高い残存率は得られず、プラークコントロールや適切なメンテナンスが欠かせません。

インプラントオフィス大通は、インプラント治療の専門知識や経験の豊富な歯科医院です。患者さんには大切なインプラントをずっと使い続けていただきたいと願っており、手術だけでなく、その後の定期メンテナンスにも力を入れております。

札幌で長持ちするインプラントをお考えの方は、インプラントオフィス大通にぜひお問い合わせください。