今の入れ歯をインプラントに変えられる?
2025/2/13
歯を一本失うだけで、お口の機能は半分失われてしまうという研究報告があります。失ってしまった歯を補う治療は補綴(ほてつ)治療と呼ばれ、インプラントはブリッジや入れ歯とどう違う?のコラムでお伝えしたように、大きく分けてブリッジ・入れ歯・インプラントといった方法があり、いずれも特徴のある治療法です。
中でも多数の歯を失ってしまった場合、以前は入れ歯が第一選択肢でしたが、近年インプラントでの治療が進歩していき、多くのケースに適応できるようになりました。
「入れ歯を使っているけれど、どうも合わない」「インプラントにできるなら変えたい」。そんな風にそう思っている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、入れ歯とインプラントの特徴をお話ししつつ、入れ歯の代わりにインプラントはできるのか?という疑問にお答えします。
入れ歯の特徴
まず、入れ歯の特徴からご説明しましょう。冒頭でもお話ししたように、入れ歯は多数の歯を失ってしまった場合、有力な選択肢となります。特に、様々な理由でインプラント治療が難しい高齢者にとって、入れ歯は今もなお大切な治療の一つです。
保険適用となり比較的安価
入れ歯の大きなメリットは、保険が適用されることです。プラスチックの一般的な入れ歯であれば、自己負担3割で作製できます。
ただし、保険適用となる入れ歯には、使用できる材料や設計に制限があることも覚えておきましょう。
入れ歯については、同じく医療法人社団 千仁会のポラリス歯科・矯正歯科のコラムでも詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
・部分入れ歯の種類と特徴
・総入れ歯について
隣の歯を削る量が少ない
入れ歯を安定させるためには、隣接する歯に金属のバネ(クラスプ)を引っ掛ける必要があります。そのため、バネをかける部分にくぼみを作る必要があり、ほんの少し歯を削らなければなりません。
しかし、歯を削る量は3mm程度と、他の治療と比べて歯への負担が比較的少ないと言えます。
入れ歯が合わず、使用中に動くことがある
一方、入れ歯にはデメリットもあります。お口の中で入れ歯を完全に固定するのは難しく、食事中や会話中にズレたり、浮いたりすることがあります。
また、毎日取り外して清掃する必要があるため、ある程度ゆるめに作られていることもズレの原因となります。
このようなズレや違和感が入れ歯に対する不満につながることも少なくありません。
インプラントの特徴
次にインプラントの特徴を見ていきましょう。インプラント治療とは、フィクスチャーやインプラント体と呼ばれる人工歯根を、歯を失った部分の骨の中に埋入し、その上にセラミックなどの人工歯を装着して嚙めるようにする治療法です。
しっかり固定されている
インプラントの最大のメリットは、安定性が高いことです。インプラントは歯根の部分が骨の中に埋まっています。
そのため、入れ歯と違い、食事中や会話中にインプラント部分が動くことはありません。スムーズな会話や違和感の少ない食事を行うことができます。
仕上がりが美しい
インプラントは非常に仕上がりが美しく、審美性に優れています。
人工歯にはセラミックやジルコニアといった審美性に富んだ材料を使うので、天然歯に近い色調や透明感を再現できるだけでなく、経年による変色も少なく、プラークも付着しにくいという特徴があります。
保険適用ではない
インプラント治療は、残念ながら保険が適用されません。被せものも併せて自費診療になります。このため歯科医院によって価格設定が異なりますが、保険診療と比べると高価になります。
メンテナンスが必要
インプラント治療は、人工歯を被せたら終了というわけではありません。埋め込んだインプラントを長持ちさせるためには、コラムでお伝えしたように、定期的なメンテナンスが必要です。
もちろんインプラントオフィス大通では、しっかりとしたインプラントのメンテナンスも提供していますが、インプラントは天然の歯に比べて細菌感染に弱いため、歯科医院での定期的なクリーニングやセルフケアが重要になります。
セルフケアとしてのインプラントの歯磨き方法については、コラムでも解説していますので、併せてご参照ください。
今の入れ歯をインプラントに変えられる?
お話ししてきたように、インプラントは他の歯に負担をかけることなく、安定した機能を得られる優れた治療法です。では、現在入れ歯を使っている人がインプラント治療に切り替えることは可能なのでしょうか?
結論から言うと「条件次第で可能」ということになります。
インプラント治療を行う上で最も重要なのは、顎の骨の量と質です。インプラントを埋め込むためには十分な骨の厚みと硬さが必要になります。もし骨の量が足りない場合は、コラムで解説した骨造成(骨を増やす手術)を行うのが一般的です。
オールオン4やインプラントオーバーデンチャー
近年のインプラント治療は大きく進歩し、様々な選択肢が生まれています。例えば、総入れ歯でお悩みの方には、コラムでお伝えしたオールオン4という治療法があります。
インプラントオフィス大通も提供しているオールオン4は、4~6本のインプラントを埋め込み、全ての人工歯を固定する方法で、見た目と噛み心地を大きく改善してくれます。
また、同じく以前のコラムで解説した、入れ歯をインプラントで固定するインプラントオーバーデンチャーやミニインプラントという方法もあり、入れ歯の安定性を高めることが可能です。
インプラントブリッジという選択肢も
さらに部分的に歯を失っている方には、インプラントブリッジという方法があります。これは、2本のインプラントを埋め込み、それらを土台にして人工歯を連結する方法です。
いずれの治療法も自然な見た目と、しっかりとした噛み合わせを取り戻せます。入れ歯からインプラントへの移行を検討される場合は、まずは歯科医師に相談し、希望する治療結果や予算などを伝え、自分に合った治療計画を立ててもらいましょう。
入れ歯のお悩みは、まずは相談を
今回は、入れ歯とインプラント、それぞれの特徴と、入れ歯の代わりにインプラント治療を選択できるのかについて解説しました。もし、今お使いの入れ歯が合わずに、お困りのことがあれば、インプラントへの切り替えを検討してみるのも良いでしょう。
もちろん、全ての方がインプラント治療を受けられるわけではありません。インプラント治療が可能かどうかは、顎の骨の状態によって大きく左右されます。まずは、ご自身の骨の状態を知ることから始めましょう。
気になる方は、これを機にお近くの歯科医院を受診してみてはいかがでしょうか。もし、札幌近郊にお住まいでしたらぜひ一度札幌のインプラントオフィス大通へお気軽にご相談ください。