ジルコニアインプラントとは?
2025/3/21
インプラント治療は、失った歯の機能を回復する有効な手段ですが、金属アレルギーをお持ちの方にとっては、チタン製のインプラントに抵抗があるかもしれません。
近年、注目を集めているのが金属を一切使用しない、体に優しいジルコニアインプラントです。今回のコラムでは、チタンインプラントとの違い、メリット・デメリットなど、ジルコニアインプラントについて解説します。
そもそもジルコニアとは?
ジルコニアは、二酸化ジルコニウムという名前のセラミック材料を指します。特徴的なのは、美しい白色と光の透過性です。透明感のある白い素材であるため、人工歯に使用すると天然歯のような自然で美しい仕上がりを実現できます。
また、ジルコニアは人工ダイヤモンドという別名を持っているほど、とても硬い素材でもあります。セラミックは割れやすい傾向がありますが、ジルコニアはチタンと同じくらいの強度があるので、とても丈夫です。
見た目を左右する人工歯の部分には、審美性の高いジルコニアが選ばれることが多く、インプラント治療においても人気の素材です。
一般的な歯科治療における詰め物や被せ物にもジルコニア(セラミック)が使われることも多いので、興味のある方は、提携医院であるポラリス歯科のセラミッククラウンの種類のコラムをご参照ください。
ジルコニアインプラントとは?
インプラントは、顎の骨に埋め込むフィクスチャー(人工歯根)、歯の見た目を再現する上部構造(人工歯)、そして両者をつなぐアバットメント(連結部分)の3つのパーツから成り立っています。
ジルコニアインプラントとは、フィクスチャー・上部構造・アバットメントのすべてにジルコニアというセラミック素材を使用したインプラントのことです。
チタン製インプラントとの違い
ジルコニアインプラントとチタン製インプラントの大きな違いは、フィクスチャーにもジルコニアを使用している点にあります。
顎の骨に埋め込むフィクスチャーは、強度やオッセオインテグレーションによる骨との結合のしやすさから、チタンで作られるのが一般的です。つまり、通常のインプラントでは、上部構造はジルコニア、フィクスチャーはチタンという組み合わせが主流です。
一方、ジルコニアインプラントは、フィクスチャー・アバットメント・上部構造のすべてをセラミック素材であるジルコニアで統一しています。金属を一切使用しない、オールセラミックのインプラントがジルコニアインプラントなのです。
ジルコニアインプラントのメリット
ジルコニアインプラントには、チタン製インプラントにはない多くのメリットがあります。
生体親和性が高く、身体になじみやすい
チタンはもともと身体になじみやすく、生体親和性の高い材料ですが、セラミックの生体親和性は同等、あるいはそれ以上です。
そのため、身体への負担が少なく、拒否反応のリスクも低いと考えられています。
金属アレルギーを起こさない
一般的なインプラントで使用されるチタンは、金属アレルギーを起こしにくい素材ですが、絶対にアレルギーが起こらないとは言い切れません。
しかし、ジルコニアインプラントは金属を一切使用していないため、金属アレルギーを起こす原因になりません。
上部構造の仕上がりが美しくなる
一般的なインプラント治療と比べて、ジルコニアインプラントは審美性の面でも優れています。冒頭でもお伝えしたように、ジルコニアは光透過性があり、内側の色が透けるという特性を持つセラミックです。
このため、上部構造にジルコニアを使用し、アバットメントに金属を使うと、わずかですが金属色が透けて見えることがあります。
ジルコニアインプラントなら、アバットメントも白いジルコニア製なので、内部の色の影響を受けることがなく、より自然な仕上がりが期待できます。
歯肉退縮しても見た目を損なわない
一般的なインプラントの場合、歯肉が下がる(これを歯肉退縮といいます)とフィクスチャーの金属部分が露出してしまい、見た目を損なうことがあります。
しかし、ジルコニアインプラントは、フィクスチャーも白いジルコニア製なので、歯肉が退縮しても目立ちにくいというメリットがあります。
インプラント治療後の歯肉退縮については、インプラント治療後に歯茎が下がってきたら…その原因と対策をチェックのコラムで詳しく解説していますので、併せてご参照ください。
強度が高い
これも冒頭でお話ししたように、ジルコニアは人工ダイヤモンドとも呼ばれるほど、非常に高い強度を誇ります。
噛み合わせの力にも十分耐えられますので、長期にわたって使えるでしょう。
骨との結合力に優れる
インプラントは、フィクスチャーと顎の骨がしっかりと結合することで安定します。
ジルコニアは、チタンと同等の骨との結合力を持つことが確認されており、インプラントの土台としても非常に優れています。
ジルコニアインプラントのデメリット
メリットの多いジルコニアインプラントですが、デメリットもあります。こちらもきちんとご説明しましょう。
治療費が高額になる傾向がある
インプラント治療は基本的に自由診療であるため、治療費は高額になる傾向があります。
その中でも、ジルコニアインプラントは、加工が難しく、製造コストが高いため、一般的なインプラントよりもさらに高額になる場合があります。
保険診療の適用外になる
インプラント治療は、ごく限られたケースにおいて保険診療が適用される場合があります。しかし、それもチタン製のインプラントに限られます。
ジルコニアインプラントは、現時点では保険診療の対象となっていないため、治療費は全額自己負担です。
厚生労働省の認可が下りていない
2025年2月時点では、厚生労働省から認可されているジルコニアインプラントはありません。したがって、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)上、未承認医療機器という扱いになります。
将来的には、日本で製造販売承認申請が出される可能性もありますが、現在、ジルコニアインプラントは、歯科医師または歯科医院が海外から個人輸入する形で入手されています。
海外からの医療機器の輸入自体は、歯科医師の責任において適切に行われる限り、法的に問題はありません。しかし、未承認医療機器であるという点は、理解しておく必要があります。
金属アレルギーの方にも安心なジルコニアインプラント
ジルコニアインプラントは、フィクスチャーから上部構造まで全てをジルコニアというセラミック材料で作り上げるインプラントです。お伝えしたように、審美性や安全性、強度の点で優れていますが、治療費が高くなるのが難点です。
ジルコニアインプラントを検討する際は、メリット・デメリットを十分に理解したうえで、歯科医師と相談し、ご自身に合った治療法を選択しましょう。インプラントオフィス大通では、事前に丁寧なカウンセリングを行い、患者さんのお口の状態や要望を詳しくお伺いした上で、一人ひとりに合ったインプラント治療をご提案いたします。
「インプラントに興味がある」「自分に合うインプラントの種類を知りたい」といったご相談はもちろん、札幌大通エリアで、ご自身に最適なインプラント治療をお考えの方は、ぜひインプラントオフィス大通へお問い合わせください。